林と原の器づくり

瀬戸で陶芸を学んで、東京で作陶している2人の制作・作品について紹介するブログです。

ハレとケとインスタ

千鳥さんでの企画展が終わり、のんびりと仕事してます。林です。

1/29の日記で「SNSが陶芸業界に影響を及ぼした」と言ったきり放置してたのを思い出しました。なので今更ながら続き。

 

食器は主に「ハレとケ」の2種類にわけられると思います。

 

以下ウィキペディア

ハレとケ」とは、柳田國男によって見出された、時間論をともなう日本人の伝統的な世界観のひとつ。 民俗学文化人類学において「ハレとケ」という場合、ハレ(晴れ、霽れ)は儀礼や祭、年中行事などの「非日常」、(褻)は普段の生活である「日常」を表している。

 

ところがここにSNSによって第3の使われ方、「写真に撮るための器」というのが登場しました。まあいわゆる「インスタ映えする」器というやつですね。

この「第3の器」が「ケの器」と何が違ってくるかということは、ファッションやメイクで想像してもらえればわかりやすいと思います。具体的にいえば、写真映えを重視すると「色はより鮮やか」に「形はより極端に」なっていくわけです。

もちろん写真を撮るだけならそれでいいわけですが、実際にはそれで食事をし、洗い物をし、日常生活の一部として存在するわけで‥。あまりにも写真映えを重視した器は、「わかりやすい喜び」と一緒に「無意識下のストレス」をもたらすと思うのです。バランスが大事なわけです。

ここ数年、これまであまり見なかった色彩の器などが増えたのはこういった理由によるのだと思います。もちろん多くの作家さんは、写真映えなどは一切気にせず変わらぬスタイルで製作を続けています。(僕もそうでした)

 

そんな僕が、「写真映え」しつつも日常生活に沿った器がつくれないかと考えたとき、まず思いついたのが装飾をした器でした。例えば「染付の器」ですね。(ハラがやってるやつです)

この染付の器って憎たらしいことに、写真もイケるし普段使いにもバッチリなんですよ。ただ残念なことに僕は絵が苦手なのでできません。

他にも陶芸にはいろいろな装飾(象嵌・鎬・スリップ・上絵などなど)があるのですが、僕は釉薬が好きなので、釉薬を使った装飾をやってみようと思ったわけです。(ちなみに、最近鎬の器を多く見るのはこういった理由ではないかと思います)

そんな経緯からできたのが、先日の千鳥さんで出品したでかい〇が釉薬で書いてある掛けわけの器です。似た色の釉薬を2種類あわせることで、日常生活に浮くことがなく写真映えもするのを狙ったのですがうまくいったのかどうか??

千鳥さんのインスタグラムでちょっと前に紹介してくれているので、判断よろしくお願いします。

https://www.instagram.com/utsuwa.chidori/

下の写真、一応載せましたけど色がちょっとおかしい‥

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